「未熟者」
この「未熟者」シリーズを描いていた頃はまだ学生で
“自分らしさ”を必死に探していました。
自分の好きな作家や周りを気にするとますます分からなくなり
もがきながら生まれた作品でもあります。
また学んだ技法や手段が冷静に
使いこなせるようになり始めた時期でもありました。
スパッタリング技法や、たらしこみによる
ランダムなマチエールが改めて
描く楽しみを与えてくれました。
使用する絵の具について
真剣に向き合うようになったのもこの時期でした。
自分の頭の中で輝いているこの色彩に一番近い絵の具
混色、重ね方、どれが理想なのか色々実験をしました。
しかしその一方でテーマは自分の内側へと
どんどんめり込んで行きました。
作品一つ一つは外に向かって叫んでいるようで
今後どう作品、アートに関わっていいのか恐怖で怯えている
そんな自分自身を表現した自画像と言っても
間違ってはいないと思います。
「作品説明」
※説明を見たくない方は戻るを押して下さい。
「何処か遠くで」
530mm×455mm canvas oil painting
今日も何処か遠くで争いが起こる
自分は空を見つめ祈ることしか出来ない
「未熟者」
530mm×455mm canvas oil painting
自分は何になりたいのか
自分はどこに向かえばいいのか
訳も分からず叫んでいました
「欲望」
727mm×530mm canvas oil painting
敷かれたレールの上に踏ん反り返る裸体
自分なりの価値観に対する反抗心の現れでした
「痛み」
410mm×318mm canvas oil painting
人を知るには心の痛みを覗くこと
自分を知ってもらう時もまた同じ
「衰退」
410mm×318mm canvas oil painting
描いたり消したりを繰り返して
筆を握り進んでいく
「大地」
410mm×318mm canvas oil painting
地球の生命力の前では人類は無力
いつか仲良く手を繋ぐ事が出来るのだろうか