どうも、画家の松尾龍です!
さあさあ引き続き
“第一回 あなたの役にはあまり立たないかもしれない? お絵描き教室”
を始めていきます。
今回もモリモリ詰め込みましたので
最後までお楽しみ下さい! どうぞ!
作品が出来上がるまでパート3 −描き起こし編−
前回はスパッタリング技法を使いましたが
今回は下の画像のように完全に無秩序だった画面に
下書きで計画していた図像を書き起こしていきます。
青空を描き込む部分はチタニウムホワイトかシルバーホワイトで薄めていきます。
あまり一度にホワイトで隠蔽しようとしても画面がモリモリになってしまうので
(ここは好みによります)自分は2回くらいに分けて薄塗りをして
描いた上から扇型筆で上から軽くなでていきます。
筆の説明は後ほど書きます。
ポイントは下書きの上に出来た面白いマチエール(絵肌の違い)を極力活用して
当初のプラン通りの構図に持っていきます。
茶色の中に埋もれている形は
彩度の高い透明色で図像もしくは背景部分を描き起こしていきます。
画像でいうと左手前の木の切り株のように見える部分です。
ここで変に強めのホワイトを入れてしまうと
白くなってしまったところにもう一度スパッタリングで乗っけていった絵の具を
描き込んで色味を合わせないと画面から浮いてしまいます。
ある程度の位置が確定したらスパッタリングの時に使用した
不透明色の絵の具で曖昧だった形を描写していきます。
前回使用した絵の具を再度使うことにより
色味による唐突な画面分離を避ける事ができます。
ここでよく自分が使っている筆と絵の具を紹介します!
みての通りナイロンの硬めの面相筆を使うことが多く
自分は名村大成堂さんのNRニューホワイト面相が一番使いやすかったです。
そのあとに一番右にある扇型筆で軽く画面を擦り画面を平らにします。
上の画像にある絵の具がよく活用する透明色です!
人によってはここにオリーブグリーンやブラック系の絵の具が入ってきます。
さて……
この段階で焦りは禁物です。
描き起こしの段階ではあまり多く不透明色を使うことはお勧めしません。
それは次の大まかな形が決まってからの方がいいと思います。
大詰めです!
ここからは描写力と己の忍耐力が試されます。
前に白抜きした所に空を描いていきます。
自分の場合は事前に撮っておいた空の写真を拡大コピーして
常に見える位置に貼っておきます。
この段階では無理に一回で空を描き切らないで
コバルトブルーやセルリアンブルーをチタニウムホワイトで淡くしたものを
下の絵の具が見えなくなるぐらいの厚さで丁寧に描いていきます。
同時に手前の造形物や見せ場の形をさらに細かく描写していきます。
このぐらいに形が出来上がったのであれば
面相筆で細かく点描でホワイトを使い始めます。
そしてその白い点が乾燥したらその箇所に透明色を重ねて塗るという工程を
繰り返して描写していきます。
おおよそ描き込んだら、遠近感を出すために
遠くに行くにつれ点を細かく淡くし最終的には地平線を描いていきます。
描き込んだ空が乾燥するまで数日間置いておかなければなりませんが
手前にまだ描き込める所があれば引き続き描きます。
なければ、つげ義春先生の無能の人でも読んで待ちましょう!
乾きましたら、空の二層目を描いていきます。
慎重にグラデーションをしていきましょう!
グラデーションの描き方はいくつかありますが
自分は淡い色から濃い青に向けて小さめの平筆で描きます。
この時点では多少の色の揺らぎがあったとしても
大きめの平筆でなるべく静かに横に流すように撫でれば
きちんとグラデーションができると思います。
扇型筆で一定方向に撫でる事で絵の具の光沢が一定になるので
テカりが気になりだしたら活用してみましょう。
全体のバランスを俯瞰してみつつ先ほどと同じように手前もバランスよく描きましょう。
では今回はここまで
さてついに次回パート4は大詰め!
作品の仕上げをやっていきます。
この最後の行程によって作品の出来栄えが大きく変化します!
それではあなたの中にいつもアートを!
バイバイ〜!
あなたの役には立たないかもしれない? お絵かき教室
次回パート4は1月3日に更新予定です!
宜しくお願いします_(┐「ε:)_✌️