第二回　ポンとコツオの絵画教室　鑑賞編　パート2　−抽象画とドローイング−

う〜〜〜〜〜ん・・・

ん！ポンくん何か悩み事ですか？

奇数と偶数って奇数が偶数ぽくて

偶数が奇数みたいに感じてしまうんです。

どう思いますか？

逆にどう思えばいいんですか！

集中して製作してくださいよ。

先生！質問があります！！

ポンくんは考えながら同時に

手を動かす事は出来ないのですか？

The男脳なんで無理です。

はいはい・・・ヴォワラ。

なんで今フランス語で“どうぞ”って

言ったんですか？

どうでもいいから

はやく本題に移ってください！！

抽象的に描かれた油絵や

落書きみたいなドローイング作品の

どこが良いのかわからなかったのですが

どう鑑賞したらいいのでしょうか？

展示を観に行くようになったのは良いことですが

君は相変わらず感想が直球というかなんというか・・・

ポンくん裸婦以外にどんな絵が好きなんだい？

写実画やペン画です。

巧さや技がわかりやすいので。

なるほどポンくんは作り手の

手間や技法に目がいくのですね。

自分の頭の中で得点をつけやすいので

ちなみにラファエロは60点。

どういう基準でつけているか分かりませんが

巨匠になんて失礼なことをするんですか！！

200点が満点です。

なおさら悪化したわ！！

絵は点数で評価するものではありません。

ちゃんと心の目を通じて作品を観なさい。

そんなこと言われても“ジェダイ”じゃないので

抽象画やドローイングを

どう鑑賞して良いか分かりませんよ。

作品の鑑賞の仕方は様々ですが

モチーフを細かく描写している意味での

“リアリティー”を作品の評価基準にするのではなく

作者がどう見て捉え感じたのかという意味の

“リアリティー”を作品から探しながら

観る方が良いと思います。

描かれている内容が薄っぺらで

テクニックだけの写実絵画なら

写真でも構わないという事になってしまいます。

て事は写実絵画はダメですか？

もちろんそんな事はないですよ。

何を描き、なぜそこをくり抜き魅せようと考えたのか

ある意味、写実画の方が求められる事が多くて

難しい世界かもしれないですね。

う〜〜〜〜ん

でもなんだか3秒で描き上げたみたいなドローイングには

なかなか納得がいかないんですよね。

絵の表現の良し悪しはかけた時間でも

値段でもないですよポンくん。

それに筆を持っていた時間がたとえ３秒でも

作者がその作品の前に立つまで全ての道のりが

作品を形成する重要な一部なんです。

なるほどそう考えると

目で見えていないものを含めて観るのが

本当の鑑賞かもしれませんね。

作品は作り手の“答え”としてではなく

“式”だと思って観ると抽象画もドローイングも

鑑賞する楽しみになると思いますよ。

と言いますと？

鑑賞者が作り手の出した“式”を解いていくのです。

そして面白いのがそこにはこれが正解という

“答え”は存在しないという事です。

トンチンカンな答えを言ったらしばかれませんか？

間違ったからと言ってしばかれないですよ！

さすがの自分も2回くらいしかまだないです！

笑えませんねそれは・・・

まあ、作り手の意図とは違ったとしても

“考える事”が重要という事です。

後で作者のコンセプトを

直接聞く事が出来ればなお良いですね。

そうしながら自分自身の目を肥やしていくと

いずれ今まで見えてこなかった作品のよさを

感じる事が出来ると思います。

抽象画もドローイングも感性をとぎ澄ますとともに

作家さんの作り出した“式”をひもとくように

観て楽しむということですね。

そういうことです！

鑑賞も色々楽しむにはある程度の経験と知識があると

より充実できると思います。

ただもちろん何でもかんでも

無理に好きになれという訳ではありません。

誰にでも好き嫌いはあって当然だと思います。

元々ジャズしか聞いてこなかった人が急に

ヘビメタ好きになれと言われても

きっと難しいですよね。

なるほど！分かりました！

もっといろんな種類の作品を観て目を肥やします！

では本日はこのくらいにしましょう！

そういえばさっきメモをしていた

点数リスト観ても良いですか？

せっかくならどんな作家の作品を

見てきたのかきになるので。

良いですよ、どうぞ！

うむうむ・・・なになに・・・

ダヴィンチ150点

ミケランジェロ140点

カラヴァッジォ100点

・・・・

コツオ3点・・・

あ・・・さんつけるの忘れていました。

・・・・・・

私はポンくんにからかわれているだけなのでは・・・